会社に入って2~3年たったころ、職場の女性達と「合コンみたいなことをやってみよう」という話が持ち上がった。
というのも、一緒に働いている坂田さん(仮)という先輩が、とってもいい人であるに関わらず彼女いない歴=年齢だとのことで。
いや、これは決してバカにしているわけではなく、本人が普段から自分で言っているし、そもそも女性とあまりしゃべったこともないから、一緒に食事をする雰囲気がどんなものなのかも分からない。
と悩んでいるというので、最年長である俺が一肌脱ぐことになってしまったのだ。
坂田さんは確か24歳くらいだったかな。
俺とは親子ほど年の離れた年下だったが、会社では先輩だった。
他に仲の良かった先輩たち(全員年下)から、
「上都さんなら経験豊富だからいろいろアドバイスできるでしょ?」
なんておだてられて、俺もけっこうその気になって引き受けてしまったのだが、この、男の見栄というやつはだいたい悲劇として自分に跳ね返ってくる、ということはあとで書きたいことが山ほどあるのだが、まあ、俺の愚痴はどうでもいいとして。
相手の女性たちには「同じ職場で働くもの同士、一度くらいはお食事会でもやりませんか」と、当たり障りなく伝えて、会場設定や料金の交渉など俺が全て動いて当日を迎えたわけである。
女性たちのメンバーは。
風間さん(仮) 美人、ご主人が病気がちで、いろんな仕事をしたらしい、誰にでも優
しいが怒らせると怖そうな、ちょっと頭のよさそうなリーダー格。
吉村さん(仮)美人、夜のお酒の仕事経験がある、やっぱり怒らすと怖そうな人。
島津さん(仮)すごい美人、天真爛漫でちょっと天然で性格もいい誰が見ても好まし
い美人だが、本人の話を聞いてるとご主人がバリバリのヤンキーら
い。
中村さん(仮)性格美人、というか本人は女性として扱われたい願望はないらしく、
会場には化粧もせず、普通の仕事帰りの服装で来てくださった。お母さ
んみたいな人。
女性たちの平均年齢は坂田さんにとってはかなりお姉さんだった(俺にとってはストライクゾーンだったが)。でも、女性が年上ばかりというのは我ながらいい人選だと思った。
20代の男にとってガチの合コンというのはともすれば取り返しのつかないようなトラウマになりかねないから、できれば年上から優しく教えてもらう方がいいと思った。
黒子役をやった俺も、ちょっと楽しみにしていたし、俺も現役のころと違って今回は、主役が自分じゃないという他人事みたいな距離感が実に居心地が良かったはずだった。
ところが。
つづく